前回までの解説用語

今回のテーマ~《「面の瞬間表情と中間表情」

五番立て
地謡
宗家
相舞
乱拍子
後見
感情表現

能の用語解説

▽能の面〔おもて〕には、豊穣を現す笑顔の翁や、怒りの表情や強さをあらわした鬼神の「瞬間表情」の面と、女面に代表される「中間表情」のものがあります。


▽世界各地で見られる(見られた)「仮面劇」で、現在進行形で残っているのは能楽だけだそうですが、もともとは、神様が依り憑いた「人間ならぬ存在」を表現するために用いられたので、人間らしい感情や表情を消してあるのでは、という説があります。


▽しかし、能の舞台をご覧になったことのある方なら、一度くらいは“無表情”のはずの能面が、ふと喜怒哀楽の“表情”を見せたような感覚を体験したことがあるのではないでしょうか。

 現に、私の知人が春日部薪能での『羽衣』をみて、天女が最後に天へ帰る時の舞の面を見て、うれしさから『笑っている』ように見えた 、と言っていたぐらいです。

初心者ですよ・・・・


▽テラス(顔を仰向ける)・クモラス(顔をうつ向かせる)という単純な所作によって、自分の演じている人物の面の表情を、「観客の目で見て分かる」ようにつくり出すためには、どうしてもこういう「幽体離脱」のような離れ業が必要なのではないでしょうか。