今回のテーマ~《「宗家」

能の用語解説

もともと能の世界では「家元」とは言わず「宗家」と呼びます。
その多くは世襲制で、嫡男は生まれながらに宗家になる星の下に生まれたという事になります。


しかし現在の能楽界の宗家の中で血筋を絶やさず続いてきたのはシテ方観世流・小鼓方大倉流・太鼓方観世流だけになっています。


万が一血筋が絶えた場合はその流儀の代表者が「宗家預かり」となって流儀を運営していき、何代か後に宗家となっています。


宗家の持つ代表権とは「玄人の認定」「免状の発行権」「謡本の著作権」等です。


現在の宗家の方々はそれぞれの流儀を上手くまとめ上げ、能楽界の隆盛を築き上げて来たことは事実であり、この封建的な制度を上手く利用していると言えるでしょう。