能曲目解説

❑井筒

▽主な場面

▽登場人物  

○シテ  前-里女   後-紀有常ノ娘

○ワキ  旅の僧

○アイ  里の男

▽面 
若女(但し増、深井、小面もあり)・・・・前・後も同じ。

▽作り物 井筒の作リ物。薄の穂が植えてある。
主なあらすじ

諸国一見の僧が、奈良の南都七堂に参った後、初瀬を訪れる途中、在原寺に立ち寄り、かつてこの辺りに住んでいた在原業平と紀有常の娘の夫婦の故事を偲んで弔っていると、寺の近くに住む里女がやって来て、塚に花水を手向けて迴向〔えこう〕している姿が目に止まる。
     
僧が不思議に思ってそのわけを尋ねると、女は、在原業平が幼なじみであった紀有常の娘と妹背〔いもせ〕の契りをしていたのに、高安の里の女と二股をかけ、やがて有常の娘の所へは通って来なくなった。
      
有常の娘はその無情を嘆いたのだ、と語る。
里女があまりに詳しく語るので、「あなたはいったい誰か」と僧が問うと、「実は、自分こそ有常の娘であり、“筒井筒”の女、とも呼ばれるものです」と素性を明かしながら、井筒の陰 に姿を消してしまう。
     <中入>
僧が在原寺で眠っていると、“筒井筒”の女の霊が在原業平の形見の冠〔かんむり〕と直衣〔のうし〕を身につけて姿を現わし、業平が乗り移ったように舞い始める。そして、井筒(井戸)の水に自分の姿を映して、業平を懐かしみながら、夜明けとともに姿を消し、僧の夢も覚めた。
業平の形見の装束を身に着けた女
水鏡に面影をしのぶ。
筒井筒 井筒にかけしまろがたけ~
▽見どころ

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鑑賞ポイント解説
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