▽面 ❃前シテ 直面 。
▽曲柄 ◎四番目物
☆雪が積もった盆栽を薪のかわりに・・・・
▽形式 ◎現在能
▽登場人物
▽主な場面
▽見どころ
❁前シテ 佐野源左衛門常世 ❁ツレ 常世の妻
❁ワキ 最明寺北条時頼 ○ワキツレ 従者
▽主なあらすじ
野国の佐野あたりを僧が旅をしていると、雪がひどくふってきたので、通りがかりの家に一夜の宿を借りようとします。
その家の妻は主人が不在だからと断ります。そこへ主人が帰ってきますが、貧しい家だから、と一度は断ります。
しかし、妻のすすめもあり、雪の中を去っていく僧を追いかけ、呼び戻します。二人は他には何もないけれどと、粟の飯を炊き、秘蔵の鉢の木を切って火を焚いて僧をもてなします。
僧が主人に名を訪ねると、佐野源左衛門常世と名乗り、一族の者に領地を横領されて今は零落していても、「いざ鎌倉」という時には、古びた武具に痩せ馬であろうとも、一番に駆けつける用意があると語ります。
僧は立ち去ります。
(中入り)
やがて最明寺(北条)時頼に仕える者が関東八州の大名小名は鎌倉に集まるように触れて回ります。それを聞いた常世も痩せ馬に乗って馳せ参じます。
時頼は集まった武士の中から千切れた具足、錆びた薙刀、痩せた馬に乗った武士を連れてくるように命じます。
呼び出された常世に時頼は自分は過日の僧であることを告げ、その忠誠を褒め、取られた領地を返し、また火にくべた鉢の木の礼にと鉢の木にちなんだ梅田・桜井・松井田の三カ所の荘を与えます。常世は痩せ馬の上で胸をはり、喜び勇んで、本領の佐野へと帰っていくのでした。
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