能曲目解説

今日は7月7日。近江の関寺では七夕の祭りが執り行われる。寺の住僧は近くの山陰に庵を結ぶ老女(実は昔歌への道を極めたという小野小町である)のところへ歌道の教えを請うために、稚児を連れて話を聞きに行くことにした。

稚児たちへの歌の作り様を尋ねられて当惑するが、幼い者のやさしさと熱意にひかれて、「種は心」と諭すのである。
言葉を交わすうちに僧が掲げた「侘びぬれば身を浮き草の根を絶えて 誘う水あらばいなんとぞ思う」という小町の歌を僧が謡うと、自らその折をなつかしんだりして、ついに小町その人と知られ、今の身を恥じる。
身の上を知られた小町は、いにしえを物語り、ひきかえて「老い」を嘆く。
やがて老女は寺の七夕祭りに招かれて行くことになり、なごやかな酒宴がはじまる。
稚児が舞い出したことに触発され、恋しい来し方を追慕して舞うが、明けの鐘とともに恥じらいにとらわれ藁屋(わらや)へ帰っていく。老女の舞に、過日の華やかな小町の面影。

関寺小町

▽登場人物 

○シテ  小野小町      ○ワキ 関寺の住僧   ○ワキツレ  従僧  ○子方 稚児
                 
                 
▽面       
シテ 老女小町


▽装束 :江戸時代の逸品である

▽三番目物 :現在能
歌心がわいてきた小町
関寺小町謡はこちらへ
「序の舞」が始まる
少年が感謝を表わし酒を注ぐ
▽見どころ
この曲は2時間近くの大曲で、しかも1時間近くは作り物の「藁屋」の中にとどまる静的な能です。「昔を思い出し、寂しい心持ちで謡う部分がすべてを決める」と言えるでしょう。
シンプルに、静かに、弱く、力強く、寂しさを表現しながら・・・・往時の華やかさも表現しなくてはいけない。
小町の弱々しい「序の舞」も見どころといえる。
同じ三老女のなかでも「姨捨」は「無の能」である。シテの性格は無色、色は白一色で無の境地における美的世界を描いたた「夢幻能」である。

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▽雑感

能は最終的には静かに静かに謡い、深みを出す芸能であるといえる。。

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▽主なあらすじ
▽主な場面