あまりの大雪に山伏が道に迷いかけているところへ、葛城山に住むという女(前シテ)が現れ山伏達に宿を貸します。女は山で集めた木々「楚樹[しもと]」を焼いて山伏達をもてなします。
楚樹に係わる古今集の古歌の問答をしながらひと時を過ごします。
夜の勤行を始めようとした山伏に、里女が自分のためにも祈祷をして欲しいと頼む。山伏は不審に思い尋ねると、実は女は一言主神(ひとことぬし)の仮の姿であり、役行者(えんのぎょうじゃ)に頼まれたことを期限までに出来なかったために、その怒りをかい、罰として明神は岩戸に閉じ込められ、蔦葛で身を戒められ、今も苦しんでいるのだと言います。そしてこの身を助けて欲しいと訴え消えます。
役行者が頼んだ事とは、吉野から葛城へ渡る岩橋を掛けることであったが、葛城明神は自分が醜いのが恥ずかしくて、顔の見えない夜だけ橋掛けをしていた為に期限に間に合わなかったのである。
祈っている山伏の前に身を戒められた葛城の神(後シテ)が現れます。そして祈祷の御礼に、とき放された喜びの舞(大和舞)を舞い、夜の明ける前に帰っていきます。
▽見どころ
▽登場人物
○前シテ 里の女(葛城明神の化身) ○ワキ 羽黒山の山伏 ○ワキツレ同行の山伏
○後シテ 葛城明神
▽面 ●前シテ 曲見 ●後シテ 泣き増(江戸時代の是閑(ぜかん)作)
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▽主なあらすじ
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▽主な場面
▽雑感
「雪の葛城山」が舞台なので、冬の演目なんですね。 神と雪を表した純白の衣装がたいへん綺麗です。