能曲目解説

登場人物 

前シテ 菜摘女(里女)       後シテ 菟名日処女の霊

○ツレ 菜摘女(里女)  

○ワキ   旅僧

○ワキツレ 縦僧 

○アイ 里の者

▽面  ❒前シテ  若女   ❒後シテ 霊女(日氷作)

     ❒ツレ  小面  

▽分類 四番目物 (雑能)

▽形式  複式夢幻能
▽あらすじ

西国から都へ上ろうとする僧が、途中、摂津国(兵庫県)生田の里に着きます。すると、春まだ浅い野辺へ、数人の里女が、若菜を摘みにやって来ます。僧は彼 女らに辺りの地名を尋ねると、そっけない返事をします。更に求塚について尋ねると、知らないと言い、そんなつまらぬ事を聞くよりも、都への道を急げと言 い、若菜を摘み始めます。

しかし寒い風が吹いてくるので、摘み残して帰ってゆきます。ところが一人だけ後に残っていた女が、求塚へ案内しようと旅僧を連れ てゆき、その塚のいわれ「昔、二人の若者から求婚された菟名日処女(うないおとめ)は、選択に迷った末、生田川の鴛鴦を射させますが、それでも勝負がつか ないので、娘はその生田川に入水してしまいます。後になって、その死骸を引き上げて塚に埋めたということを二人の若者が聞き、その塚の前で差し違えて死ん だ。」という物語をし、その二人を死なせたのは自分の罪だと言い、塚の中へ消えてしまいます。
(中入)
旅僧は、来合わせた所の者に、今一度、求塚の由来を 尋ね、先刻の菜摘女のことを話すと、それこそが塚の主の化身であろうと言い弔いを勧めて帰ります。僧は、その夜その場所で読経していると、菟名日処女の亡 霊が現れ、二人の男の亡魂や鉄鳥と化した鴛鴦に責められ、八大地獄で苦しんでいる有様を見せ、やがて安らぎを得たように、亡者の姿は消え失せます。

※二人の男の名前は小竹田男(ささだおのこ)と血沼益荒男(ちぬのますらお)といい、美しい女の名は菟名日処女(うないおとめ)。
以上
▽主な場面

❑『求塚』

~観世流~
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鑑賞ポイント解説
▽見どころ