※小書 大事(弓流し 素働)
小書 奈須与一語。
▽主な場面
▽登場人物
●前シテ 漁翁 ●後シテ 源義経の霊
○ワキ 旅の僧侶
○ワキツレ 縦僧
○アイ 屋島の浦人
▽面 ❒前シテ 笑尉 ❒後シテ 霊神
▽分類 二番目物、修羅物
▽形式 複式夢幻能
▽あらすじ
春霞の立ちこめる頃、都の僧が四国に西国行脚にやってくる。讃岐(現・香川県)の屋島に着くと、もう夕暮れ。近くにあった塩屋の主と思われる漁翁に、一夜の宿を請うが断わられる。が、「都の者」と聞いて懐かしがり、塩屋に招き入れられる。
僧が、「この辺りは、源平合戦のあったところらしいが、話を聞かせて欲しい」と頼むと、老人はその様子を喜んで語り始める。
あまりに詳しいので、僧が不思議がって名前を訊ねると「よしつね」の名をほのめかし、姿を消す。
やがて、僧の夢の中に鎧兜を纏った義経の幽霊が現れて、修羅の世の苦患〔くげん〕の有り様を見せる。そして、義経が自分の落とした弓が、引き潮にさらわれるのをみて、命を惜しまず、敵の眼前に身をさらして取り戻したことを語ります。兼房に「命を、弓に代えてはいけません」とたしなめられた義経は、「弓そのものを惜しんではいないが、敵方の手に取られると、私が小兵〔こびょう〕だと知られるのが無念だからだ」と答える。
さらに、修羅道の凄まじい戦いに駆られる 様子を見せるうちに夜が明けて、僧の夢は覚め、白波、鴎の声、浦吹く風に化して亡霊は消えていきました。
⇓
▽見どころ
☆僧の夢の中に鎧兜を纏った義経の幽霊が現れて
★老人は源平合戦の様子を喜んで語り始める。