能曲目解説

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鑑賞ポイント解説

❑「正尊」

※金剛流と金春流のシテは「武蔵坊弁慶」、ワキは「土佐正尊」であるが、他流は逆となっている。
これは、江戸時代に上演がされていなかった時期があり、復曲の際に現在の形が作られたためである。

▽登場人物 

シテ 武蔵坊弁慶 
○ツレ  土佐坊正尊 源義経  江田源三 熊井太郎
○ツレ  姉和光景他立衆
⦿子方 静御前

▽面  直面

▽分類 四番目物

▽形式  単式現在能

▽あらすじ

武蔵坊弁慶は、仮病を使う土佐坊を、是非を言わさず、義経の下へ連れて行きます。土佐坊は、熊野参詣の為に上洛したと言い張りますが、義経、弁慶、等の人々の前で詰問され、土佐坊は起請文(きしょうもん、誓いの文)を書ます。
「上は梵天帝釈」から始まる文章で、「日本中の神々に誓います。私は討手ではありません。これが偽りであれば来世は阿鼻(無間地獄)に落ちます。」と、中々大層に読み上げます。

初めから、読む方も、聞く方も、虚言であると分かっているのでしょうが、土佐坊の器用に免じて、盃が出され、静御前が舞 を舞います。
静御前にまで「よくよく申せ」と諌められながらも、土佐坊は宿所に帰る事が出来ます。しかし土佐坊の宿所では討入の準備をし、又、義経方も待 ちかけ、最後には土佐坊は絡め捕られます。
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斬り組み。
弁慶による起請文の読み上げ
▽主な場面