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▽登場人物
●前シテ 老人 ○ツレ 女御
●後シテ 山科荘司の亡霊
○ワキ 白河院の臣下
○アイ 下人
▽面 前シテ 阿古父尉(あこぶじょう) ○後シテ 重荷悪尉(おもにあくじょう) ○ツレ小面
▽分類 四番目物、執心男物
▽形式 複式夢幻能
▽あらすじ
菊を愛好する白河院の庭で、菊の世話をする山科の荘司という者がいました。荘司は白河院の女御の姿を見て、恋心 を抱きます。女御は荘司の懸想を知り、臣下を通じて荘司に、あることを行えば、思いに応え、姿を見せてあげようと伝えます。あることとは、美しく装飾さ
れ、いかにも軽そうに見える荷を持って、庭を百度、千度廻ることでした。荘司はわずかな望みができたと喜び、下働きで鍛えてきたからやりやすいと、精一杯
の力を込めて持ち上げようとします。
しかし、それは大変な重荷で、まったく持ち上がりません。何度も何度も頑張ってみますが、持ち上がることはありません でした。力を使い果たし、絶望した荘司は、この仕打ちを恨み、女御に思い知らせてやると言いながら、死んでしまいます。
臣下から荘司の死を知らされた女御は、庭に出て、荘司の死体を見て、その死を悼みます。ところが、立ち上がろう としても巌に押さえつけられるように、身動きできません。すると、そこへ荘司の亡霊が現れます。
亡霊は、女御のひどい仕打ちに憤り、さんざん恨み言を語 り、地獄で苦しんでいることを伝え、女御を責め立てます。
☆前シテ:菊の世話をする山科の荘司
☆後シテ:荘司の亡霊
▽主な場面
▽見どころ