《主な場面》

登場人物  <シテ> 前―明石の上  後―明石の上    
          <ツレ> 前―光源氏、侍女、惟光  


《面》        光源氏は“直面
住吉大社の神主(ワキ)と太刀持ちの従者が登場して、「光源氏が参詣することになったので、社殿や道をきれいにしなさい。」と従者に言う。しずしずと光源氏御一行様が登場する。先頭は子方(こかた)と呼ばれる子役が二人、弓と矢を手に持ち随身(ずいじん)の装束で先導役を務める。その後に冠姿の光源氏、その後ろに家来3人がぞろぞろと登場する。
光源氏が車に乗り、住吉大社への旅が始まる。舞台では車に乗ったまま住吉へ到着する。
季節は秋。「ほの見えそむる斑紅葉(むらもみじ)」と謡われて観客は秋の京都から大阪までの道行きを想像して楽しむのだろう。

住吉大社に着いて一行は神主に祝詞(のりと)を上げてもらい、住吉の神に感謝の祈りを捧げ宴を催す。子方の童が舞いを舞って舞台に花を添える。
そうこうしていると、明石の上が女を2人連れて船で浦伝いに住吉へやってくる。毎年お参りしていた住吉大社に、懐妊や出産でお参りできなかったので住吉詣を思い立ち出かけてきたのである。光源氏と明石の上は久しぶりの再会を果たす事になる。再会した二人は惟光の酌で杯をかわし、再会した喜びにひとさし舞うのである。
船で明かしの上が侍女をつれて現れる。
牛車の光源氏
住吉大社に着いて一行は神主に祝詞(のりと)を上げてもらい、住吉の神に感謝の祈りを捧げ宴を催す。子方の童が舞いを舞って(蘭拍子)舞台に花を添える。小鼓との絶妙な絡み合いが何とも言えない雰囲気を作り出している。
次に明上と源氏の君との相舞、そして別れに見せる光源氏の淋しさを漂わせたしぐさ。
本編では出会うことのなかった二人だが、能の舞台の上では再会を果たし、御互いの気持ちを確かめ合うように連れ舞い、名残を惜しみながら別れていくという原典とは違った演出になっている。
初めから終わりまで一貫して「華麗」さが特色です。18人もの出演者が舞台に上がっている事になる。衣装もきらびやかだが出演者の人数にも圧倒される。

《雑感》

▽見どころ

《主なあらすじ》

能曲目解説

『住吉詣』