能の雑知識
今回のテーマ〜《「能面師について」》
▽能面師には「師匠」がいないのだそうです。では、どの様にして技術を身につけてゆくかということですが、こたえは『優れた“古面”』をお手本にして、模倣して「打つ」ようです。 ▽面を作ることを「打つ」と言います。これは『面といえども人の顔ですから、彫ったり、切ったりするのは失礼なことです。 心を込めて『打たせてもらう』ということから、「打つ」と言うようです。 そして、その面が舞台に舞ったときに命が宿るといえます。 ▽『姿形そっくり写さねばなりませんが、単なる模倣であってはいけない!』と言う気持ちで、打つ能面師の人格をどこかに見せることが大事なそうです。 ▽現代は、IT革命などと言って、変化とスピードばかりが求められますが、長い年月にわたって残されてきたものの中には、「永遠不変の真理」への手がかりが埋もれているような気がします。 |