能・・・・単純に見れば、これほど写実性に乏しい演劇はないでしよう。
登場人物もシテ(主役)と、ワキ(相手)の二人と、その他はツレと呼ばれる数人だけですし、バックも小鼓、大鼓、太鼓、地謡がいるだけです。舞台装置はといえば松の背景(老松)と簡単な作り物ものしかない、いたってシンプルなものです。

動作自体も飛んだり跳ねたりするわけでもなく(例外的にはある・・・石橋など)、歩くときも体が上下に動かないよう摺足で動くなど「静的」なイメージが大です。

しかし・・・ひとたび動きだしたとたん・・・無限の空間へと私達を誘います。
情景は私達の頭のなかでいかようにもアレンジメントが可能であり、狭い舞台も無限の空間へと変わります。

情景は地謡によってより鮮明になり、「感情」や「表情」は能面を付けているため顔の角度・手の動き・足の運び・動作のスピード等により私達の心に伝えられます。

このページでは「能における独特の表現」について紹介しております。

能独特の表現

シオリ
出小袖(だしこそで
ユウケン
合掌
抱え扇
笹の枝